世界各地で対立と分断がいっそう進み、民主主義の危機すら感じざるを得なくなった激動の2024年もどうにか幕を閉じ、日本では九連休のクッションのお陰で何となく静かな新年を迎えられた…そんな雰囲気に包まれているような気がしてなりません。
皆様方にはこの年末年始を健やかにお過ごしになられましたでしょうか…。
私は、フェイクに覆われ真実が見えにくい世の中で生きなくてはならない今の若者たちが気の毒で、遣る瀬無い気持ちを暫く引き摺っておりました。
そんな中、昨年のノーベル平和賞受賞者ゃ選考委員の方々が極めて時を得たタイミングで、適格なメッセージを発信してくださったことに心より感謝いたしております。
それは“決して理想を諦めない”ことです。
私たちオペラ団体は、このような混沌とした世の中だからこそ真実を見極める力を養うべく、普遍的な価値観を映し出す作品の制作・上演にさらに努めるべきだと思うのです。昨年は自然環境について真剣に考える倉本聰作品《ニングル》でしたが、今年は生まれつき人間に具わっているはずの、大事な人への絶対的な愛、恒久的な愛を描く歴史絵巻オペラ《静と義経》です。
日本オペラの海外向け作品としても再演を重ね、古典としていきたい作品です。
3月8日(土)、9日(日)の両日、東京文化会館大ホールで14時に開演します。
日本オペラの感動の極致が味わえます。お待ちいたしております。
本年も日本オペラ協会公演でどうぞ心に栄養を!!!
※(次の更新はゴールデンウィーク頃を予定いたしております)
2025年 新春 吉日
郡 愛子