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心に響く、ピースフルヴォイス「郡 愛子」。
2023年も様々なコンサート企画が進行中です。どうぞご期待ください!
NEWS
  • ご挨拶

    今年は遅咲きの桜があっという間に散り、いつの間にかゴールデン・ウイークに…。
    時の経つ速さには あらためて驚かされます。皆様方にはこのゴールデン・ウィークをどのようにお過ごしになられましたでしょうか。

    2月に行われた日本オペラ協会公演《ニングル》の初演が、ついこの前のように思えてなりません…。すでに再演のご要望を沢山いただいており、日本オペラを制作・上演する私どもにとりまして、この上ない励みとなっております。

    倉本聰氏原作の《ニングル》では、過度な自然環境の破壊が招く今日の事態を既に40年ほど前に警告しており、取り返しのつかなくなる前にそのことに気付き、そして引き返す知恵と勇気を持つことの大事さを教えてくれています。
    その《ニングル》に込められたメッセージの本質を理解し、原作の持つ価値を損ねることなく、オペラならではの「ニングル」を創り上げなくては…というスタッフそしてキャスト全員の熱意が、このような大きな反響をいただく原動力となったに違いありません。

    感動の涙涙涙。帰途につかれるお客様方はみな紅潮したお顔に真っ赤な目。
    カーテンコールでの鳴り止まぬ盛大な拍手とスタンディング・オベーションが、このオペラの伝えるメッセージにお客様方が共感なされた何よりの証しでした。

    終演後の打ち上げでは、「歴史的な倉本作品の初のオペラ化」への出演者と関係者一同が、やり切った歓びを分かち合い、その興奮は深夜まで続きました。

    倉本聰氏原作による普遍的なメッセージを湛えるドラマ、吉田雄生氏による素晴らしいオペラ脚本、渡辺俊幸氏作曲によるスケール感に満ちたドラマティックな音楽、
    田中祐子氏の指揮と岩田達宗氏の演出のもとで才能をフルに発揮した出演者たち、そしてすべてを支える関係者の皆様方…これらが結集して生まれる高い熱量こそが人々の心を動かすことになることを、あらためて確信することができました。

     

    ここからは、2024年度の日本オペラ協会公演の予告をさせていただきます。
    お陰様で毎年好評の《日本オペラ・日本歌曲連続演奏会》第73回を、来たる7月12日に近代日本の音楽の聖地「旧東京音楽学校奏楽堂」において、“涼を訪ねて うためぐり”と題して開催いたします。この度は“新感覚の日本歌曲”と、“古典を目指す日本オペラ”を中心とした楽曲構成となっており、当協会の選りすぐりの歌い手たちによる味わい深い歌をお楽しみいただきます。

    また、今年度の日本オペラシリーズ本公演は、2025年3月8日(土)・9日(日)の両日、「東京文化会館 大ホール」において、《静と義経》を再演いたします。
    “言葉紡ぎの名人”なかにし礼氏の作・台本、海外にも数多くのオペラ作品を提供した三木稔氏の作曲による、壮大なドラマティックオペラですが、6年前の新宿文化センター大ホールにおける「日本オペラ協会創立60周年記念公演」では、2日間ともチケットが完売し、スタンディング・オベーションによるカーテンコールが延々と続き、日本オペラのこれからを期待させる衝撃的な公演となりました。
    今年度の《静と義経》のニュープロダクションでは、ベテランと次代を担う若手のホープによるダブル・キャスティングの妙をさらにお楽しみいただけます。
    次回の更新時に、このオペラの詳細をあらためてご紹介させていただきます。
    [追伸]

    久し振りに私の歌い手活動について触れさせていただきます。
    来年・2025年は、私のオペラ歌手デビューからちょうど50周年に当たる節目の年となります。最近、知人、友人の皆様方から、ぜひ記念のリサイタルをやるべき…との(励ましの?)お声を頻繁にいただくようになり、少し気持ちが動いてきております。
    とは言え、2017年からは自身の歌い手活動を休止し、日本オペラ協会の総監督の仕事に専念してまいりましたので、再びステージに立つ不安もございます。もしも50周年記念リサイタルを開く決心がつきましたら、あらためてご報告申し上げます。

    早くも初夏を感じさせる強い日差しの日が続きます。
    皆様方にはどうぞくれぐれもご自愛の上、健やかにお過ごしくださいませ。

    2024年 皐月 吉日
    郡 愛子